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随分遠くまで

記録をつけたくなった時に

8/7

quantum szilard engineがあるならquantum carnot engineもあるのではと思って調べたら当たり前だが普通にあった.引用が多くて割と読まれてそうなものとしてQuantum mechanical Carnot engine(https://arxiv.org/pdf/quant-ph/0007002.pdf)など.流し読みしてみると一次元一粒子を考えてポテンシャルの壁を動かしたときの熱効率を計算しているようだった.温度をexplicitに持ち出さずに議論するというようなことが書いてあるにも関わらず"等温過程"を議論していたり,何故か自由膨張の議論が挟まっていたり,英語をちゃんと読んでいないので今のところよくわかっていない.いつか例のquantum szilard engineの論文を読みたいと思っているので,そのときに一緒に読みたい.

熱力学第二法則などの"量子力学的な導出"はよく知られていて,量子力学的なcarnot boundもそこから出てくるので量子力学的な導出を定義に採用して古典的な定義を導出するものとして考えればcarnot boundを出す上で曖昧な点は全くなくなるが,それはboundの存在を言っているだけであって,量子力学的にcarnot engineを構成してそれがcarnot boundを満たすような熱機関になっているか確かめるためにはcarnot engineの各操作が量子力学的にはどのようなものになるのかを考えなければならず,そうすると必然的にアナロジーに頼らざるを得ない."等温過程"を考えるときなども結局その辺りの妥当性が問題になるのだろうなと思う.

結論は古典的なcarnot engineの熱効率と一致するようだった.量子力学は可逆なので当たり前みたいなことが書いてあるがそうなのだろうか.いまいちピンと来ない.やはり多粒子でやらないと量子力学的な不思議な結果は出てこないのかもしれない.それと最後に面白いことが書いてあった.古典的なcarnot engineは準静的操作に無限の時間がかかるので実現不可能というのは教科書にも書いてある話だが,quantum carnot engineはそうではない…?有限の時間でcarnot boundを達成できるとすれば凄いことである.

ちなみにこの論文,あまりにも参考文献が少ないので向こうの学部生辺りが書いたものではないかと少し疑っている.比較的最近の論文にも関わらず引用がたくさんされているので違う気もするのだが….